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なんにもわかってない

義実家訪問の次の日
元々の予定だった外出の途中で
「昨日モカが言っていた二世帯住宅を見に行こう」と言い出した旦那に

不信感を露に
「お義母さんだって住みたくないっていってたんだからわざわざ見に行く必要なんてないでしょ?」って言ったけど

なにがなんでも住宅を見に行くと言う旦那にイライラした


前日、義実家から帰宅した後、旦那とは色んな話をした

お互い色々言い合って
「同居はしない」と確認しあったはずなのに
なんで旦那は二世帯住宅を見に行くことにこだわるのだろう?

口では私に同調したふりをして安心させて、本音ではやっぱり姑と暮らしたいと思っているのだろうか?

昨晩の「義妹の結婚が決まってないのにあの話はありえない」って言っていたのは

「モカの体のこと考えたって同居は無理なんだって!ありえないから」って言っていたのはなんだったのだろう


モヤモヤそんなことを考えながら不機嫌になっていく私に突然

「同居に必要なことって何だと思う?」

旦那がそう切り出した


「・・・おもいやりじゃない?」

そう答えながら
あーそうか
「お前が我慢すればうまくいくんだから」って言いたいんだ
「私がうまくやるよ」って言わせたいんだって

むなしくなった私に旦那が言ったのは想像もしない


「ちがうよ!金だろ!?」

「ある程度の金をもらえるから上手くやれるんだろ?」

という言葉だった



たしかにそう
前日姑が提示した金額は「アルバイトだとおもえば」十分な金額だ

だけどほんとにそうなの?
ほんとにそれだけだとおもってるの?


車の後部席で私たちの話に耳を傾けてる子供たちの不安が伝わってくる

「ばあちゃんと暮らすのは嫌」
そうはっきり口にした子供たちの言葉もつたえたはずなのに
この人は何をいっているんだろう?
何を考えてるんだろう?

旦那の言葉に
なにもわかってない旦那に絶望しながら話した







家を旦那の名義で買うということ
姑が毎月、お金を出すということ
義妹が一緒に住む気でいること

それが私にどう降りかかるのか

私がそのことにどんな恐怖を感じているのか


昨晩話し合って納得したはずの内容を
さらにこまかくこまかく

オブラートにつつまないひどい言葉で伝えた




舅の遺産を使い尽くして、旦那が相続するはずだった山の土地まで売ってお金を手にして

それでもなお
頭を下げることもなく同居の話をふってきた姑のあつかましさ


同居の話をするなら、義妹のことをはっきりさせてからするのがすじ

そもそも義妹とも擦り合わせていない話を
旦那を飛び越えて私にするのはお門違い

姑の相談事は真っ先に私
そのくせ肝心な部分は義妹だけが知っていて私たちには伝わってこない

義妹も旦那も姑も
「はなしあう」ことができない家族だから
姑はいつも私を利用する

でももう利用されるのはまっぴらごめんだ


「お義母さんと旦那君と義妹ちゃんで話すことだよね

そこで、決まったことを
私は私たち家族の問題として旦那君とは話すよ

だけどそれを全部すっとばして
なぜかお義母さんはこういうときにだけ真っ先に私に話してくる
自分の子供がいるのに、一番意見が言いづらい私にふってくる

本当は「家族」なんて思ってないくせに
都合のいい時だけ私を利用するのはずるい

はっきりいって同居の話も、義妹ちゃんの結婚も私には関係ない
どうでもいい
だけどそれにともなう迷惑をかぶりたくないから
私は私で色々かんがえてるだけで
何も考えてない人がそれを利用するのが許せない


そもそも私たちはお義母さんと一緒に暮らす気なんてないんだから
お義母さんと義妹ちゃんが何を言ったって
旦那君が何を思ったって
私たち家族として、この問題はありえないから」



それでも
「生活するのにお金は大事だろ」
と、譲らない旦那



どうして
姑という人間がどういう人間なのかわからないんだろう?理解しないんだろう?




同居の話だって自分のことしか考えられない姑ならではの考えが暴走した結果だとしか思えない


姑の思考回路はたぶんこう

家の修繕にお金がかかる

でも、そんなにまとまったお金はない

姑と、(無職になった)義妹ではリホームのローンも組めない

そもそも義妹が結婚したら一人になってしまう
(そうなったら、サ高住に入るって随分前から息子夫婦に伝えていた。そう言ったら息子夫婦から同居を言い出すはずだった)

息子夫婦からは何も言ってこない

このままだと一人になるor住む家がなくなるかもしれない

そうだ!息子の名前でローン組めるんじゃない?

お金を出すのはわたし
私の家の名義を息子にしてあげるだけ

面倒な家事も嫁にやらせれば問題ない

娘には自分がご飯つくってあげないきゃならないけど、嫁ならご飯の用意くらいするはず


義妹がどこまでこの話に関与しているかはしらないけど

この思考の途中で義妹の存在は姑の中から消えたはず

「お義母さんのことだからきっと↑な考えで昨日の話ふってきたよね

旦那君、今度は名義を利用されそうだね」

いじわるくつづけた

「お金出すっていつまで?
家のローン終わるまで?

お義母さん生きてる?

自分の都合しか考えられない人だから
残される私たちのことなんかかんがえてないよね

お義母さんいなくなったあと二人で2世帯住宅に住むの?無駄じゃない?

この話をするなら私たちが30代のときじゃないと~」

「まぁ、かりに二世帯住宅に暮らしたら
まちがいなく義妹ちゃんころがりこむよね

で、また例の「私たちの家」って言われながら暮らさなきゃならないの?

旦那君は仕事でいないからいいかもしれないけど、私は?それも我慢しなきゃならないの?


おまけに、もし旦那君が先に死んだら?
間違いなく私一文無しで放り出されるけど

じゃなかったら介護要員だね
どっちにしても私には地獄しかないね」


なんて、さんざんいってみたけど効果なし

むなしさとかかなしさを通り越して怒りが込み上げてきた


そうこうしている間に目的地に到着

ってか到着までの道のりがありえないくらいひどいものだった


そこで、旦那が
「これはないな」
と口を開いた
「とてもじゃないけどすめるような場所じゃないって、あとでばあちゃん(姑)に連絡しておく」



旦那は何を確かめたかったの?
何をしたかったの?



次の日になってぽそりと

「結局、なんだかんだ言っても父さんはばあちゃんと暮らしたいんでしょ?」

そう言った長男の言葉に頷くしかなかった





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